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テクノロジーがひらく、やさしい教育

和歌山県・白浜町。南国のような気候が広がる海沿いの町で、今、ちいさな教育の革命が始まっています。


アロハシャツプロジェクト
アロハシャツプロジェクト

「子どもたちが自分の考えを、AIを使って形にしていくんです」

そう語るのは、白浜町で長年教員を務め、2025年度から教育長に就任した西田拓大さん(taku)。

彼と会話を交わすのは、オーストラリア・ダーウィンに住むP-Labのaya。

「どうしたら、もっと子どもたちが“自分の声”を届けられるようになるんだろう?」

国も環境も違うけれど、ふたりは共通の問いを持っていました。


 

 AIは“代わりにやってくれる”んじゃない。“一緒に作ってくれる”んだ

白浜で動き出したのは、「南紀熊野AIデザイン部」という、校外活動ベースの新しい学びの場。


AI活用と和歌山の地場産業で地域の魅力を再発見! 中学生が廃棄ニット生地でアロハシャツ制作

オーエス株式会社(本社:大阪市北区 代表取締役:高橋秀一郎)が参画する、持続可能なまちづくりを目的とした地域コミュニティ「白浜コネクトプロジェクト」は、和歌山県のニット生地メーカー、株式会社ヤマヨテクスタイル(本社:和歌山県西牟婁郡 代表取締役:山下郁夫、以下ヤマヨテクスタイル)で廃棄されるニット生地を活用し、学校法人上田学園上田安子服飾専門学校(所在地:大阪市北区 理事長:上田哲也)にデザイン面での協力を得てアロハシャツを制作する「アロハシャツプロジェクト」を企画しました。

子どもたちは、自分の頭の中にあるアイデアやイメージを、まずはスケッチに描き起こします。

そこにAIが加わることで、色や構図、テクスチャなどが洗練され、まるでプロのような作品に生まれ変わる。


でも、AIはすべてを代行する“便利な道具”ではありません。

子どもたちの「こうしたい」に寄り添いながら、一緒に形にしてくれる“共創のパートナー”なのです。

「AIを使うことで、子どもたちの想像力に“ひと押し”が入るんです」

 

発信の場をひらくと、声が届き始める

AIとともに作ったデザインは、やがてアロハシャツとして実際の製品になります。


使用される布は、スポーツユニフォームにも使われる高品質な端切れ。縫製もボタンも、すべて地域の技術者たちと連携して仕立てられます。


子どもたちはそのシャツを自分で売ることで、「誰かに届ける」体験もしていきます。


自分の中にあった小さな“声”が、デザインを通して言葉になり、形になり、人に届く。そのプロセス自体が、彼らの自己肯定感を大きく育てているのです。

「しゃべるのは苦手だけど、描いたら伝わる。って子、いますよね」

 

テクノロジーが世代をつなぐとき

「やっぱり、テクノロジーが入ってくると、若い子の発言力が上がるんですよね。ゲーム感覚で慣れているから、怖がらずに触れる。でも、年配の方は逆に引け目を感じることもあって…」

けれど、その差こそが混ざり合うチャンスにもなります。

「年配の人が持つ知見と、子どもたちの柔軟さが自然に交わる。そのために、オンラインは面白いんです」

AIやデジタルツールは、単なる技術ではなく、世代や立場を越えた“対話の場”をつくり出す媒介にもなりえるのです。


 

やさしさは、テクノロジーからも育つ

教育にテクノロジーが入ると聞くと、つい効率化や自動化のイメージが先に立ちがちです。


でも、AIがほんとうにひらくのは、子どもたちの「声」なのかもしれません。


言葉にならなかった思いが、絵やかたちや物語になって外に出ていく。誰かに届いて、「ありがとう」と返ってくる。


テクノロジーは、そんなやさしさを支える“静かな手”にもなりうるのです。


未来の学びは、きっとこんなふうに、やわらかく、でも確かに育っていくのかもしれません。


 

この内容はポッシブルワールド・ラジオの中で語られましたぜひ、こちらもお聞きください🎙️



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