
企業の現場では、商品開発やマーケティング活動の効率化が重視され、既に決まったものをどう作るかに関するノウハウが蓄積されています。
そのため、プロセスに沿って進めば、ベルトコンベアーのようにスムーズに商品が完成します。
しかし、多くの企業が最も困っているのは「何を作るか」の部分です。
創造的なアイデアはどこから生まれるのか?
効率化されたプロセスは改善や改良には適していますが、ゼロから新しいものを生み出すには時間がかかります。
新しいアイデアは、突然ひらめくこともあれば、雑談を通じて生まれることもあります。
特に「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤する過程が非常に重要です。
しかし、多くの企業では、このような雑談の時間が排除されてしまいました。
雑談の場が消えてしまった背景
かつては、オフィスの中でのちょっとした会話や、飲み会、社内旅行などの場で雑談が自然と生まれていました。
しかし、コロナ禍によって対面でのコミュニケーションが減少し、雑談の場は大きく減ってしまいました。その結果、創造的なアイデアが生まれる機会も少なくなってしまったのです。
雑談を意識的に取り入れるには?
今の企業に求められているのは、就業時間内に意図的に雑談の場を作ることです。
ただし、「この30分は雑談していい」と決められても、なかなかうまくはいきません。
そこで重要なのは、共通の体験をもとに雑談をすることです。
例えば、
企業理念について雑談する(企業の価値観やビジョン、経営者の思い、組織の文化、歴史や創業の背景など)
各自の体験談(仕事での成功や失敗談、キャリアの転機、学びや成長の経験、仕事とプライベートのバランス、海外経験、日常の気づきなど)を共有する
SDGsや企業理念、最近の業界ニュース、働き方の変化、身近な技術トレンドなどをテーマに話し合う
といった形で、会話のきっかけを作ることが大切です。
人は物語に引き込まれやすく、ストーリーテリングの要素を取り入れることで、自然な会話が生まれます。
ポッシブルワールド・ゲームホストであり、株式会社ナガイマーケティング研究所の代表であるマーケティング✕組織開発コンサルタントの長井菜穂子さんを招いたラジオの中で、雑談の有用性について語りました。
ポッシブルワールド®︎では、短い時間で共通体験を得ることができ、企業や学校、団体のテーマにあった研修を行うことができます