2024年12月2日

『はたらく細胞』とポッシブルワールド：地球と人間のフラクタルな関係

「ポッシブルワールド」の中で語られる「経済」「環境」「社会」という指標

これらは抽象的な概念に感じられますが、人間の身体にも例えられるのではないか、という話を先日のラジオで行いました

ちょうど、来週から公開される実写映画『はたらく細胞』にも似ているなと

私たち自身と地球をフラクタルな視点で見直してみましょう

地球と人間のフラクタルなつながり

フラクタルとは、大きな構造と小さな構造が同じパターンを持つことを指します

地球と人間の関係もまた、フラクタルな構造で説明できます

例えば、地球の海と陸の割合は、人間の体内の水分と固形物の割合とよく似ていると言われます

さらに、地球の土壌が栄養豊富であるほど、そこから育つ野菜が健康的になり、それを食べる人間も健全な体を保てる

こうしたつながりを考えると、私たちが「地球そのもの」であると感じられるかもしれません

土壌の健康が人間の健康に直結していることをご存じでしょうか？

ミネラルが豊富な土壌で育つ野菜は、人間に必要な栄養素をたっぷり含んでいます

しかし、土壌が劣化して栄養分が少なくなると、どれだけたくさん野菜を食べても、私たちは十分な栄養を得ることができません

まさに「食べるものが人間を作る」という事実を、土壌を通じて実感することができます

また、近年では「水耕栽培」や「土を使わない野菜栽培」も注目されていますが、これらは人工的に栄養を添加することで成り立っています

この方法が効率的で便利に見える一方、土壌の持つ本来の多様な栄養素や微生物の働きが失われていると感じる人も多いでしょう

ラジオの中でも、「土が健康でなければ野菜も健康ではない」という視点から、この問題を考えていました

「ポッシブルワールド」では、地球規模の問題を「経済」「環境」「社会」という3つの指標を通じて考えます

これらを人間の身体に置き換えると、より分かりやすい形になるかもしれません

経済＝血液の循環 経済活動は、体内で栄養を運ぶ血液のような役割を担いますただし、経済が過剰に優先されると体全体に負担がかかり、バランスを失ってしまうこともあります
環境＝物理的な周囲の環境 地球の土壌や空気、水は、私たちの体を支える基盤そのものです地球環境が健康であるほど、私たちの体も健全でいられます
社会＝人間関係や心のつながり 社会は、人々の心を豊かにする大切な要素これがあることで、私たちは孤独を感じることなく、生き生きとした日々を送れます

こうした例えを通じて、「地球と自分がつながっている」という感覚がより具体的になるのではないでしょうか

来週公開される映画『はたらく細胞』では、体内で起こるさまざまな問題を細胞たちが解決していく様子が描かれています

赤血球や白血球といった細胞がキャラクターとして動き回り、花粉症や感染症といった体内の課題に挑む姿は、まるで地球上で環境問題や社会問題に立ち向かう人間のようです

たとえば、気候変動を「体温調節の異常」に例えたり、プラスチックごみ問題を「体内の毒素蓄積」に例えると、地球の健康状態がまさに私たちの体と同じように見えてきます

地球の環境や社会、経済の問題は、私たちの体や生活に直結しているものです

「ポッシブルワールド」のゲーム体験を通じて、地球と人間のつながりを改めて感じることができます

私たちが食べるもの、立つ土壌、使う資源――それらがすべて循環の一部であり、自分自身と地球を作り上げています

フラクタルな世界の中で、地球と私たちは切り離せない存在です

このつながりを意識しながら、未来のための一歩を踏み出してみませんか？